40年ぶりの1ドル162円!ただ40年前とは全然違う・・・!

雑記

2024年に1ドル161円台をつけ、2026年現在も160円台前半の攻防が続き、ついに

「1986年以来の水準」である162円にタッチしました。

でも、ここで一つ立ち止まって考えてみると、1986年の162円と、2026年の162円は、同じ数字でも全然意味が違います。

なぜなら、この40年で日本とアメリカの物価水準が大きく変わっているからです。

ビッグマック指数で見ると一目瞭然か

物価の違いを直感的に把握するのにわかりやすいのが、ビッグマック指数です。

ビッグマック指数は、各国のビッグマック価格を比較して、通貨の割高・割安をざっくり見る指標です。

たとえば、2026年の日本のビッグマックは500円です。一方、米国のビッグマックは6ドル台前半です。

単純に計算すると、500円 ÷ 6.12ドル = 約82円。

つまり、ビッグマック価格だけで見れば、1ドル80円台前半くらいでようやく日米の価格が釣り合う計算になります。ところが、実際の為替レートは160円台前半です。

もちろん、ビッグマック指数はあくまで単一商品の比較です。家賃、人件費、税金、原材料費、地域差などは反映しきれません。だから、これだけで「本当の適正レートは82円だ」と言い切ることはできません。

それでも、直感的にはわかりやすいですし、実際に2倍(以上!?)は物価の差があるように思えます。

1986年の160円と、2026年の160円は、同じ160円でも意味が違います。

1986年当時は、160円という為替レートが今ほど強烈な割安感を示していたわけではありません。一方、2026年の160円台は、日米の物価差から見ると、かなり円が安く見える水準です。

購買力平価からの乖離が示す「本当の苦しさ」

国際通貨研究所の購買力平価データを見ても、実勢レートと購買力平価の乖離はかなり大きくなっています。

購買力平価とは、ざっくり言えば「同じモノやサービスを買うなら、本来どれくらいの為替レートが自然か」を見る考え方です。

もちろん、現実の為替レートは金利差、貿易収支、投資資金の流れ、政治、地政学リスクなどで動きます。購買力平価どおりに動くわけではありません。

ただ、購買力平価から大きく離れているということは、生活者の感覚としてはかなり重要です。

わかりやすく言うと、日本円の実力に対して、市場での円の価値がかなり低く見られている状態です。

これが家計にどう影響するかというと、生活のあらゆるところに効いてきます。

品目円安の影響
食料品輸入小麦・大豆・食用油などの値上がり
光熱費輸入LNG・原油価格の円建て負担増
旅行海外旅行・海外ホテル・現地飲食の実質コスト増
電子機器輸入部品や海外製品の値上がり
教育留学費用・海外研修費用の負担増

昔と同じ1ドル160円でも、いまの方が「円安の痛み」を感じやすい理由はここにあります。

食料品、光熱費、海外旅行、留学費用、輸入品。

生活のかなり広い範囲で、円安の影響を受けるようになっています。

なぜここまで円安が続くのか

主な原因は、やはり日米の金利差でしょうか。

アメリカは2022年からインフレ対策として大幅な利上げを進め、米国金利は高い水準で推移してきました。

一方、日本は長い間、低金利政策を続けてきました。最近は日銀も金融政策の正常化を進めていますが、それでも日米金利差はまだ大きい。

この結果、ドルを持っている方が金利面で有利な状況が続き、円売り・ドル買いが起こりやすくなっています。

実際、2026年に入っても円は160円台まで売られ、日本当局による円買い介入も行われました。報道では、2026年4〜5月の円買い介入は合計11兆円を超えたとされています。

ただし、為替介入はあくまで急激な変動を抑えるための手段です。構造的な金利差が残っている限り、介入だけで円安トレンドを完全に止めるのは難しいと思います。

では日本株でなく米国株に投資した方がいいのか

円安局面では、確かに米国株投資が有利に見えます。理由は2つあります。

1つ目は、ドル資産の円換算額が膨らむことです。

仮に米国株が10%上昇した場合、そこに円安が重なれば、円換算の利益はさらに大きくなります。

2つ目は、米国企業は円安の影響を直接受けにくいことです。

円安で苦しむのは、日本の輸入企業や、輸入品を買う日本の家計です。米国企業にとっては、円安そのものは直接的な逆風ではありません。

ただし、裏側のリスクも理解しておく必要があります。

為替リスクは両刃の剣

円安が進むと、米国株の円換算益は増えます。でも、円高に転じた途端に、今度は為替差損が発生します。

過去にも円高への急転換と円キャリートレードの巻き戻しで、世界の株式市場が大きく揺れた場面がありました。つまり、為替は味方にもなりますが、敵にもなります。

特に今のように購買力平価から大きく離れた円安水準では、どこかで円高方向への巻き戻しが起きる可能性も考えておく必要があります。

もちろん、いつ円高になるかは誰にもわかりません。

160円からさらに円安が進む可能性もありますし、逆に140円台、130円台へ戻る可能性もあります。

だからこそ、為替を読んで一気に勝負するのは難しいと思っています。

投資に対するスタンス

個人的には、日本株と米国株の両方を保有する分散スタンスが現実的だと思っています。

円安が続く局面では、米国株・ドル資産が有利です。

一方で、日本株にも魅力はあります。円安で恩恵を受ける輸出企業もありますし、金利上昇局面で追い風を受けやすい金融株もあります。高配当株を中心に見れば、日本株にもまだ投資妙味はあると思っています。

そもそも日本に住んでいますから日本円の方がわかりやすいですしね。。

逆に「全部米国株にシフト」は、為替リスクを一方向に集中させることになります。

円安が続けば良いですが、円高に急反転した場合、米国株が上がっていても円換算では利益が削られる可能性があります。

だから私は、日本株と米国株を両方持つ戦略です。

為替を当てに行くのではなく、どちらに動いても致命傷にならない形にしておく。

このくらいの距離感が、自分には合っていると思っています。。

まとめ

1ドル160円という数字は、40年前と同じように見えます。

でも、1986年の160円と、2026年の160円は全然違います。

ビッグマック価格や購買力平価から見ると、今の160円台はかなり円安に見える水準です。生活コストへの影響も、1986年当時とは比べものにならないくらい大きくなっています。

だからこそ、「円だけで資産を持つ」リスクは意識した方がいいと思います。

ドル資産、外国株、外貨建て資産への分散は、今の時代にはかなり重要です。

ただし、為替は読めません。

円安が続くかもしれないし、どこかで円高に戻るかもしれない。

全部を一方向に賭けるのではなく、日本株と米国株、円資産とドル資産を分散しながら、長期で積み上げていく。

それが、1ドル160円時代の現実的な投資スタンスではないかと思っています。

※なお、ビッグマック指数や購買力平価は、為替の「目安」を見るための指標であり、短期的な為替レートを予測するものではありません。実際の為替は、金利差、資本移動、貿易収支、政治・地政学リスクなど複数の要因で動きます。


コメント