オルカンの中身はどう変わった?過去の国・業種・上位銘柄を比較してみました

運用方針

オルカンを買えば、世界中の株式に分散投資できます。

ただオルカンの中身はずっと同じではありません。株価や企業の時価総額が変われば、国・業種・銘柄の構成比も変化します。

今回は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のレポートを使い、2023年から2026年までの変化を整理しました。

比較するのは、毎年7月31日時点の次の3項目です。

  • 国・地域別構成比
  • 業種別構成比
  • 組入上位10銘柄

オルカンとは

オルカンは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の愛称です。

日本を含む先進国と新興国の株式に、1本で投資できます。新NISAの積立投資枠・成長投資枠でも購入でき、長期の資産形成に使われる代表的な投資信託です。

連動対象はMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスです。

世界の株式を均等に保有するのではなく、基本的には時価総額の大きい企業ほど組入比率が高くなります。

そのため、好調な国や企業の時価総額が大きくなると、その国や企業の構成比も自然に上昇します。

国・地域別構成比の推移

まずは国・地域別の構成比です。

単位は%。「―」は構成比がゼロという意味ではなく、その年の上位10カ国・地域に入っていないことを表します。

国・地域2023年2024年2025年2026年
アメリカ59.762.764.163.1
日本5.55.44.75.0
イギリス3.53.33.23.2
カナダ2.72.62.83.0
フランス2.92.52.42.1
スイス2.42.22.02.1
ドイツ2.01.92.21.9
台湾1.51.82.02.8
オーストラリア1.71.61.4
ケイマン諸島1.81.8
インド2.01.7
韓国2.0

アメリカ比率は約6割

最も大きいのは、やはりアメリカですね。

アメリカの構成比は、2023年の59.7%から2024年には64.1%まで上昇し、2026年は少し減って63.1%です。オルカンは世界中に分散していますが、実際には資産の6割以上がアメリカ株です。

「全世界株式」という名前から、各国に均等に投資しているような印象を持つかもしれません。しかし、中身を見るとアメリカ株の値動きが運用成績に大きく影響します。

業種別構成比の推移

次に、業種別の構成比を見てみます。

業種2023年2024年2025年2026年4年間の変化
情報技術21.123.726.229.6+8.5
金融15.015.917.417.1+2.1
資本財・サービス10.110.310.710.7+0.6
一般消費財・サービス10.910.110.28.6▲2.3
ヘルスケア11.210.98.58.4▲2.8
コミュニケーション・サービス7.27.48.37.6+0.4
生活必需品6.96.25.54.8▲2.1
エネルギー4.54.33.53.9▲0.6
素材4.43.93.43.6▲0.8
公益事業2.62.52.62.5▲0.1

情報技術が約3割

最も目立つのは、情報技術の上昇です。

2023年には21.1%でしたが、2026年には29.6%となりました。わずか3年間で8.5ポイント上昇しています。2026年時点では、オルカンの約3割が情報技術です。

Apple、Microsoft、NVIDIA、Broadcom、TSMC、Micron Technologyなどが、この業種に分類されています。

世界分散型の商品であっても、業種まで均等に分散されているわけではありません。世界の株式市場で情報技術企業の時価総額が大きくなれば、オルカンの情報技術比率も上がります。

ヘルスケアと生活必需品は低下

一方、ヘルスケアは11.2%から8.4%、生活必需品は6.9%から4.8%へ低下しました。

これらの企業がなくなったわけでも、必ずしも業績が悪化したわけでもありません。情報技術などの時価総額が相対的に大きくなった結果、構成比が低下した面があります。

構成比の低下を、そのまま業界の衰退と判断しないよう注意が必要です。

組入上位10銘柄の推移

続いて、上位10銘柄です。銘柄名の後ろに構成比を記載しています。

順位2023年2024年2025年2026年
1Apple 4.5%Apple 4.2%NVIDIA 5.0%Apple 4.8%
2Microsoft 3.5%Microsoft 3.9%Microsoft 4.2%NVIDIA 4.4%
3Amazon 1.8%NVIDIA 3.4%Apple 3.6%Microsoft 3.1%
4NVIDIA 1.7%Amazon 2.2%Amazon 2.5%Amazon 2.2%
5Alphabet Class A 1.2%Alphabet Class A 1.7%Meta Platforms 1.8%Alphabet Class A 1.9%
6Tesla 1.1%Meta Platforms 1.3%Broadcom 1.6%Broadcom 1.7%
7Meta Platforms 1.1%TSMC 0.9%Alphabet Class A 1.3%TSMC 1.6%
8Alphabet Class C 1.0%Eli Lilly 0.8%Alphabet Class C 1.1%Alphabet Class C 1.5%
9UnitedHealth 0.7%Tesla 0.8%TSMC 1.1%Meta Platforms 1.2%
10JPMorgan Chase 0.7%Broadcom 0.8%Tesla 1.1%Micron Technology 1.0%

※TSMCはTaiwan Semiconductor Manufacturingの略称です。
※Alphabetは議決権などの異なる複数の株式クラスがあるため、Class AとClass Cが別銘柄として掲載されています。

半導体関連企業の存在感が拡大

上位銘柄で最も変化が大きかったのはNVIDIAです。AI需要の拡大などを背景に株価と時価総額が上昇したことで、オルカンに占める比率も大きくなりました。
オルカンを保有していた人は、NVIDIAを個別株で購入していなくても、その成長の恩恵を間接的に受けていたことになります。
それ以外の企業でもBroadcomは2024年に10位へ入り、2026年には6位。TSMCも2024年の7位から、2026年には構成比1.6%となっています。

さらに2026年には、Micron Technologyが10位に入りました。

2026年の上位10銘柄のうち、NVIDIA、Broadcom、TSMC、Micron Technologyの4社が半導体関連企業です。

オルカンは全世界株式ですが、足元では半導体関連企業の値動きから受ける影響も大きくなっています。

上位銘柄への集中度も上昇

上位3銘柄と上位10銘柄の合計比率も計算しました。

上位3銘柄の合計上位10銘柄の合計組入銘柄数
2023年9.8%17.3%2,837
2024年11.5%20.0%2,703
2025年12.8%23.3%2,503
2026年12.3%23.4%2,414

2023年には上位10銘柄で17.3%でしたが、2026年には23.4%まで上昇しています。

組入銘柄数は2,837銘柄から2,414銘柄へ減少しました。

それでも2,000を超える銘柄に分散されているため、特定企業だけに投資する商品ではありません。ただし、上位の巨大企業が全体に与える影響は以前より大きくなっています。

オルカンは分散投資にならないのか

オルカンは「アメリカや情報技術に偏り過ぎているのではないか」と感じるかもしれません。

確かに、国・業種・銘柄のすべてで集中度は上がっています。

ただし、オルカンの強みは、各国や各企業へ均等に投資することではありません。世界の株式市場全体を保有し、時価総額の変化に合わせて中身が自動的に入れ替わることです。

現在はアメリカや情報技術企業の比率が高くなっていますが、今後ほかの国や業種が成長すれば、その構成比も自動的に上昇します。

将来の勝ち組を自分で予想して、定期的に銘柄を入れ替えなくてもよい。私はここがオルカンの大きなメリットだと考えています。

データの出典と注意点

本記事は、三菱UFJアセットマネジメントが公表した「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の各年7月31日時点の月次レポートをもとに作成しています。

上位国・地域、業種、銘柄の構成比は各時点のもの出典であり、現在の構成比とは異なる場合があります。また、構成比の変化には株価、為替、指数構成銘柄の変更など複数の要因が影響します。

本記事は特定の金融商品について購入や売却を推奨するものではありません。投資には元本割れの可能性があります。商品の最新情報やリスク、費用については、公式サイトの交付目論見書などをご確認のうえ、ご自身の判断でお願いします。

出典:三菱UFJアセットマネジメント:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)