eMAXIS Slim 先進国株式の中身はどう変わった?2023~2026年の構成を比較

運用方針

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、日本を除く先進国の株式へまとめて投資できる投資信託です。

オルカンやS&P500と比べると、やや地味な存在かもしれませんけど、オルカンよりアメリカの比率が高く、S&P500より投資先の国が広い・・・ちょうど両者の中間のようにも捉えられます。

またファンドの中身はずっと同じではありません。世界の株価や企業の時価総額が変われば、国・業種・銘柄の構成比も変化します。

そこで今回は、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの月次レポートをもとに、2023年から2026年までの変化を調べました。

比較するのは、毎年7月末時点の次の3項目です。

  • 国・地域別構成比
  • 業種別構成比
  • 組入上位10銘柄

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスとは

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、日本を除く先進国の株式に幅広く投資するインデックスファンドです。

日本株は含まれません。また、インドや中国などの新興国株式も基本的に含まれません。

そのため、主な投資対象はアメリカ、イギリス、カナダ、フランス、スイス、ドイツなどです。

ただし、これらの国に均等に投資するわけではありません。企業の時価総額を基準に構成されるため、株式市場の規模が大きいアメリカが大きな割合を占めます。

国・地域別構成比の推移

まずは、国・地域別の構成比を見てみます。

単位は%です。「―」は保有していないという意味ではなく、その年の上位10カ国・地域に入っていないことを表します。

国・地域2023年2024年2025年2026年
アメリカ71.374.275.775.3
イギリス4.13.93.83.8
カナダ3.33.13.33.6
フランス3.42.92.82.5
スイス2.82.62.42.4
ドイツ2.42.32.62.3
オーストラリア2.11.91.81.7
オランダ1.31.31.11.4
スペイン0.91.0
イタリア0.80.9
スウェーデン0.90.8
デンマーク0.81.0

アメリカ比率は70%~75%

2023年は71.3%でしたが、2024年には74.2%、2025年には75.7%まで上昇しました。2026年は75.3%とわずかに低下しましたが、引き続き全体の約4分の3を占めています。

「先進国株式」という名前から、アメリカやヨーロッパなどへバランスよく分散している印象を持つかもしれません。

しかし、実際の中身はかなりアメリカ寄りです。

アメリカ以外で最大のイギリスでも3.8%です。アメリカ75.3%に対し、イギリス、カナダ、フランス、スイス、ドイツの5カ国を合計しても15%に届きません。

先進国株式インデックスの値動きは、アメリカ株の影響を強く受けると考えておいた方がよさそうです。

ヨーロッパ各国の比率は低下傾向

フランスは2023年の3.4%から2026年には2.5%へ低下しました。

スイスは2.8%から2.4%、ドイツは2.4%から2.3%です。オーストラリアも2.1%から1.7%へ低下しています。

これらの国の株式が必ずしも下落したという意味ではありません。

アメリカの巨大企業の時価総額が相対的に大きくなったことで、ほかの国の割合が押し下げられた面もあります。

業種別構成比の推移

続いて、業種別の構成比です。

業種2023年2024年2025年2026年
半導体・半導体製造装置6.08.310.513.4
テクノロジ・ハードウェア・機器6.76.45.98.4
資本財6.46.87.68.1
ソフトウェア・サービス9.09.510.77.6
銀行5.35.66.47.3
医薬品・バイオテクノ・ライフ8.07.96.06.7
メディア・娯楽5.86.27.06.6
金融サービス6.36.67.36.4
一般消費財・サービス流通・小売り4.75.04.4
エネルギー4.74.43.64.1
ヘルスケア機器・サービス4.4

※「―」は、その年の上位10業種に入っていないことを表します。

半導体の比率が2倍以上に

最も目立つのは、半導体・半導体製造装置です。

2023年の6.0%から、2024年には8.3%、2025年には10.5%、2026年には13.4%まで上昇しました。

2023年と比べると、比率は2倍以上です。

2023年はソフトウェア・サービスが9.0%で最大の業種でした。しかし、2026年は半導体・半導体製造装置が13.4%で1位となっています。

AI関連需要の拡大などを背景に、NVIDIAやBroadcomといった半導体企業の時価総額が増加した影響が表れています。

先進国全体に投資する商品であっても、現在は半導体企業の値動きから受ける影響がかなり大きくなっています。

銀行と資本財も上昇

半導体以外では、銀行が5.3%から7.3%、資本財が6.4%から8.1%へ上昇しています。

一方、医薬品・バイオテクノ・ライフは8.0%から6.7%へ低下しました。

ソフトウェア・サービスは2025年に10.7%まで上昇した後、2026年には7.6%へ低下しています。Microsoftの構成比低下などが影響していると考えられます。

組入上位10銘柄の推移

次に、組入上位10銘柄を比較します。銘柄名の後ろの数字は構成比です。

順位2023年2024年2025年2026年
1Apple 5.4%Apple 5.0%NVIDIA 5.9%Apple 5.7%
2Microsoft 4.2%Microsoft 4.6%Microsoft 4.9%NVIDIA 5.3%
3Amazon 2.1%NVIDIA 4.0%Apple 4.3%Microsoft 3.7%
4NVIDIA 2.0%Amazon 2.6%Amazon 3.0%Amazon 2.7%
5Alphabet Class A 1.4%Alphabet Class A 2.0%Meta Platforms 2.1%Alphabet Class A 2.3%
6Tesla 1.3%Meta Platforms 1.6%Broadcom 1.8%Broadcom 2.0%
7Meta Platforms 1.3%Eli Lilly 1.0%Alphabet Class A 1.6%Alphabet Class C 1.8%
8Alphabet Class C 1.2%Tesla 1.0%Alphabet Class C 1.3%Meta Platforms 1.4%
9UnitedHealth 0.8%Broadcom 1.0%Tesla 1.3%Micron Technology 1.2%
10JPMorgan Chase 0.8%JPMorgan Chase 1.0%JPMorgan Chase 1.1%JPMorgan Chase 1.1%

※Alphabetには議決権などが異なる複数の株式クラスがあるため、Class AとClass Cが別銘柄として掲載されています。

半導体関連企業の存在感が拡大

上位銘柄で最も変化が大きかったのはNVIDIAです。AI需要の拡大などを背景に株価と時価総額が上昇したことで、オルカンに占める比率も大きくなりました。

それ以外の企業でもBroadcomは2024年に構成比1.0%で上位10銘柄へ入り、2026年には2.0%まで上昇しました。

2026年にはMicron Technologyも1.2%で9位に入っています。

一方、Teslaは2025年まで上位10銘柄に入っていましたが、2026年にはトップ10圏外となりました。UnitedHealthとEli Lillyも、それぞれ一時的に上位10銘柄へ入りましたが、その後は圏外となっています。

インデックスファンドは、一度選ばれた企業を固定して保有し続ける商品ではありません。

企業の時価総額が変われば、順位や構成比も自然に変わっていきます。

上位銘柄への集中度も上昇

上位3銘柄と上位10銘柄の合計比率も計算しました。

上位3銘柄の合計上位10銘柄の合計組入銘柄数
2023年11.7%20.5%1,275
2024年13.6%23.8%1,226
2025年15.1%27.3%1,139
2026年14.7%27.2%1,114

2023年には上位10銘柄で20.5%でしたが、2026年には27.2%まで上昇しました。

現在は、資産のおよそ4分の1が上位10社に集中していることになります。

一方、組入銘柄数は1,275銘柄から1,114銘柄へ減少しました。

1,000社を超える企業へ投資しているため、個別株と比べれば十分に分散されています。ただし、上位の巨大企業がファンド全体に与える影響は以前より大きくなっています。

オルカンと何が違うのか

2026年7月末時点で、オルカンと比較してみました。

項目先進国株式オルカン
アメリカ比率75.3%63.1%
上位3銘柄の合計14.7%12.3%
上位10銘柄の合計27.2%23.4%
組入銘柄数1,1142,414
日本株含まない含む
新興国株含まない含む

先進国株式インデックスは、日本と新興国を含まない分、オルカンよりもアメリカ比率が高くなっています。

上位10銘柄の構成比も、先進国株式の27.2%に対して、オルカンは23.4%です。

両商品とも上位にはApple、NVIDIA、Microsoft、Amazonなどが並んでいます。そのため、値動きがまったく異なる商品ではありません。

違いは、アメリカ以外をどこまで含めるかです。

  • 日本や新興国も含めて世界全体を保有するならオルカン
  • 日本株を除き、先進国へ投資するなら先進国株式
  • アメリカだけに絞るならS&P500

大まかには、このような違いになります。

先進国株式を選ぶ意味はあるのか

「アメリカが75%なら、S&P500でよいのではないか」と感じる人もいると思います。

確かに、先進国株式インデックスの値動きはアメリカ株に大きく左右されます。

それでも、イギリス、カナダ、フランス、スイス、ドイツなどにも投資できます。将来、アメリカ以外の先進国企業が成長すれば、その変化を取り込めます。

一方、オルカンと比べると日本と新興国が含まれません。

日本株を個別株や別の投資信託で多く保有している人であれば、日本を除く先進国株式を組み合わせる考え方もあります。

私自身も日本の個別株を保有していて、海外株をまるっとカバーしたいとおもっていたこともあり、最初の積立は先進国株式をつみたてていました。ただし、今は新規積立を先進国から、オルカンやNASDAQ100の比率をあげていっています。

データの出典と注意点

本記事は、三菱UFJアセットマネジメントが公表した「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)」の各年7月31日時点の月次レポートをもとに作成しています。

上位国・地域、業種、銘柄の構成比は各時点のもの出典であり、現在の構成比とは異なる場合があります。また、構成比の変化には株価、為替、指数構成銘柄の変更など複数の要因が影響します。

本記事は特定の金融商品について購入や売却を推奨するものではありません。投資には元本割れの可能性があります。商品の最新情報やリスク、費用については、公式サイトの交付目論見書などをご確認のうえ、ご自身の判断でお願いします。

出典:三菱UFJアセットマネジメント:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)